2009年11月06日

 函館市は人口約28万5,000人、『回復期リハビリテーション病棟』の病床数は人口10万人に50床が妥当とされています。しかし函館市では同病棟算定病院6病院で304床を有しており、妥当とされている病床数の2倍以上となっています。6病院は、全て『回復期リハビリテーション1』を届出ています。
 しかも函館市ではじめて『回復期リハビリテーション病棟1』を算定し、信頼と実績を築いた『医療法人社団高橋病院』や、『道南勤医協函館稜北病院』の2病院の他は、今年度新たに算定をはじめた病院です。
 『医療法人亀田病院』(平成21年8月1日)、『医療法人社団仁生会西掘病院』(平成21年4月1日)、『医療法人雄心会函館新都市病院』(平成21年4月1日)、『社会医療法人北海道事業協会函館病院』(平成21年5月1日)です。そのためある急性期病院には、回復期リハを有する複数の医療機関のMSWが患者獲得のため日参しているとも聞きます。まさに回復期リハ激戦区です。
 このなかで病院を移転新築した『医療法人亀田病院』、回復期リハの訓練室を新築した『医療法人社団仁生会西掘病院』のADL重視リハの取組を紹介します。
 
ADLを見据えた
OTのリハビリに
 セラピスト、特にOTによるADL(日常生活活動)、IADL(日常生活関連活動)へのアプローチ、つまり“在宅で生活するために”という観点は、本来、病院施設リハにおいても重要です。
 そのため例えば『亀田病院』の場合は、訓練室に自然な生活空間を取りいれる工夫が施されています。写真はモデルルームのものではありません。患者のための訓練室に備えつけられたものです。在宅に戻る入院患者は女性や一人暮らしが多い、病前も調理を役割としていた患者で、片麻痺などの障害を持った後は、病前のような調理のようにはいかないでしょう。調理など食に対する部分は生活で重要な部分を占めます。注意障害による火や包丁の扱いや、易疲労性・立位時間からの腰痛を防ぐためのリハがADL向上につながるのです。
 ことさら料理だけをクローズアップしているのでなく、ここにはあらゆるADLに対するリハの構えが象徴されています。これによって在宅へ“返る、返す”意識付けが患者にも、リハスタッフにも芽生えたといいます。もはや旧来の作業療法のあり方は通用しないのかもしれません。そのため同院でも他施設の良いところがあれば率先して取り入れているといいます。

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▲ADLを意識した訓練室(亀田病院)

 
 また『西掘病院』では、ボタン1つで高さを調整できる可動式キッチンを使用しています。これはリハ利用者(入院患者)がもっとも使用しやすい高さを、リハビリの観点から導き出すためのものです。例えば家を改築する場合に施工業者にアドバイスすることもあるといいます。入院患者の在宅復帰を念頭に置くことを徹底しているのです。
 さらに容易に取り外し可能な柱も利用し、トイレ、キッチン、家具などを使用する際に利用者が一番使い勝手の良い位置を予め定めることができるようにしています。しかも実際に取り付けた場合に不具合があった場合は、容易に他箇所に移動することも可能で、利用者のレンタル金額も約400円と家の柱取り付けに比較して格段に利用しやすい。

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▲高低差可動式キッチン

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▲可動式柱
 
 さらに両病院とも屋外・屋上に“家の外” をイメージしたリハ設備を備えています。このようにリハに対する真摯な姿勢が評判を呼び、両病院とも患者数は順調に増加し、さらにリハスタッフ確保は順調に進んでいるとしています。リハ激戦区であるだけ、切磋琢磨し様々な先取的な試みが行われているのです。

【コンサルティング事業部 関原】



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