2009年04月10日
■平均在院日数の生保除外問題
北海道のある病院から質問を受けました。同院は一般病床(120床)を有し、10対1入院基本料を算定しています。最近まで平均在院日数の対象患者から生活保護単独の患者を除外し、昨年までそれを社会保険事務局も認めていたといいます。しかし北海道厚生局に管轄が移ってから除外は認められないとの指導を受けたとのことです。同院地域は生活保護受給者が多く、もし除外規定が認められなければ入院基本料のランクダウンもあり得ます。そこで困惑して編集部に相談に来たという次第です。
厚生局は除外規定を認めず
北海道では、近年平均在院日数の対象患者から生活保護単独の患者を除外することが認められてきました。しかしこれは全国一律に除外が認められてきたことを意味していません。というのも各都道府県によりその判断がまちまちだからです。ですが平均在院日数の対象患者から生活保護単独の患者を除外することは、全国的な傾向で大勢を占めていました。このように全国的な統一見解なり、通知なりがなかった状況なのです。
全国保険医団体連合会の見解
この件に関しては、北海道厚生局の判断として除外は認めないという解釈が出ておりますので、全国保険医団体連合会に確認してみました。
全国保険医団体連合会に確認した理由は『全国保険医団体連合会 保険診療の手引き』(08年4月版)に除外規定が明記されているからです。平均在院日数の除外規定に関して次の記述があります。『平均在院日数については、病棟の種別ごとに、保険診療に係る入院患者を基礎に計算する。ただし労災や自賠責、生活保護単独、人間ドック利用者や正常な妊産婦、新生児などの自費患者は、すべて除外して‥‥計算する』
その根拠に関して担当者に確認を取りました。その根拠は次のようになります。
『医科点数表の解釈』(平成20年4月版)のP913に記載されている第五の病院の入院基本料の施設基準等の通則(4)『次に掲げる施設基準等のうち平均在院日数に関する基準については、病棟の種別ごとに、保険診療に係る入院患者(別表第二に掲げる患者を除く。)を基礎に計算するものであること。』
つまり『保険診療に係る入院患者を基礎に計算するものであること』と記載されているので、保険診療外の患者は除外すると解釈されるのです。当然生活保護単独の患者は公費扱いになるので、本来なら除外は認められるはずです。しかし平均在院日数の対象患者から生活保護単独の患者を除外するとは明記されていないことも事実です。このようにはっきりしていない曖昧な規定であるところに様々な解釈の生まれる余地があるように思います。早急に現場に混乱をもたらさない統一ルールが待たれるのではないでしょうか。それまでは現行ルールを踏襲することが望まれます。
【コンサルティング事業部 関原】


