札幌市厚別区で地域の脳神経外科病院のMSWが中心となり、病院から在宅へ移行する際に必要とされる『在宅情報提供書』『退院情報提供書』の共通フォーマット作成を行っています。これは同区の『医療法人新さっぽろ脳神経外科病院』(中川俊男理事長・135床)、『医療法人社団翔嶺館新札幌聖陵ホスピタル』(佐竹博史理事長・41床)、『厚別区地域包括支援センター』が中心に検討を進めてきたものです。医療機関が脳外科主体の病院ということもあり、退院時連携について脳血管疾患リハビリテーションの観点から議論が行われてきました。具体的には今回の介護報酬改定の重要課題の1つが介護と医療の連携であることから、そのキーパーソンとなるケアマネジャーと病院の連携を厚別区全体で考えていきたいというものです。
  しかしケアマネジャー側で、『医療連携加算』(150単位/月)や『退院・退所加算機戞400単位/月[入院30日以下])・『退院・退所加算供戞600単位/月[入院30日超])を算定することができるものの、病院側の診療報酬上の評価は、『後期高齢者退院調整加算』の算定のみでメリットが少ないため、ケアマネ側から病院へ文書を依頼しにくい現状があり、病院側から積極的な働きかけを行ってきたという経過がありました。

 

目先の診療点数でなく
 将来的な効果を目指す
 なぜ今回病院が主体となって今回の共通フォーマットの作成に乗り出したかと言えば、患者の立場から介護と医療の連動性・継続性、シームレスケア(継ぎ目のないスムーズな継続的なケア)が必要という大きな理念があります。
 また現在では病院側のメリットが少ないとしても、今後地域連携が診療報酬上でも配慮される可能性が高いこと、さらに病院から在宅への移行をスムーズに行わなければ、退院管理自体が困難になり病院自体が立ち行かなくなるとの病院運営の実利的な側面も大きかったからです。目先の診療点数ではなく、今後を見据えた将来的な効果を見据えたものと言えます。
 一見地道な取り組みですが、このように患者の療養環境を最優先する姿勢が、地域のなかで病院の信頼と価値を押し上げる近道なのかもしれません。
 
 共通フォーマットなど、詳細はメディウェル通信クラヴィス303号に掲載しています。

【コンサルティング事業部 関原】