2009年07月24日
■決算書の信頼性は?
病院の決算書が都道府県に提出され、それを情報公開で入手できるようになりました。しかしなかには財務諸表内容がおかしいものや、そもそも決算書を提出していない医療法人も多いのが現状です。そのような現状のなか、ある病院の財務担当者から「今後当院も同様規模・診療内容の病院と経営状況等を比較したいが、実際に提出されている決算書は信頼に足るのだろうか。」という質問を受けました。
財務諸表内容は
病院会計準則に依ります
そもそも提出されるべき病院の財務諸表(決算書)はどのような書式なのでしょうか。それは病院会計準則(医政発第0819001号 平成16年8月19日『病院会計準則の改正について』)の書式を遵守しなければなりません。しかしこれに従った財務諸表自体があまり多くないという現実があります。というのもこの病院会計準則に従うかどうかの判断は病院の自主性に任せられているということがあります。
そのためまず取得した病院の決算書を分析する場合には、当該の病院の決算書がルールに従っているかどうかを確認する必要があるのです。
しかも提出されればまだ良いほうで、決算書自体を都道府県に出していないケースも多々あります。例えば北海道では約600病院ありますが、そのうち個人病院等は、決算書の報告義務はないので、実際に提出対象となるのは医療法人開設の394施設(平成20年4月1日現在)となります。しかし弊社集計では96施設の決算書が未提出となっていました。
現状はこのようなものです。
決算書比較の留意点
書式自体がまちまちな現状にあっては、比較も容易ではありませんが、留意点を1つだけ指摘しておきます。
それは貸借対照表の固定負債の部分です。
固定負債には『長期未払金』『退職給付引当金』などが含まれています。例えば病院が医療機器をリースすれば長期未払金が発生しますし、従業員の退職金に備えるための『退職金引当金』も記載しなければなりません。
しかし、病院の決算書の中には、これらの事実が発生しても固定負債に記載されていないものがあります。このような決算書では固定負債が隠されてしまっているので、そのまま経営分析すると病院の正確な状態を把握することはできなくなるのです。
【コンサルティング事業部 関原】


