2009年09月04日

■複合施設の介護給付金

  介護療養病床と医療療養病床を有する病院、ここでは介護・医療の“複合施設”と呼びますが、そのような北海道の病院の理事長から、次のような質問を受けました。「今回介護職員処遇改善交付金を受けようと思うが、介護療養病床と医療療養病床で働いている介護職員両方が交付金の対象になるのだろうか。もし両方が対象にならないとしたなら同一施設で勤務している介護職員の一方の賃金が上がり、他方が据え置きだと、組織上のマネジメントの観点から問題が生じると思われる」。
 前述の理事長のように介護療養病床・医療療養病床の両方を有する同一施設で働いている介護職員に差を設けることに違和感を持っていることも理解できます。

介護療養病床は交付金の対象
医療療養病床は対象外
 しかし結論から言いますと介護療養病床は交付金の対象、医療療養病床は対象外となります。
 もう少し詳しくみてみましょう。
 今回の介護職員処遇改善交付金(以下:交付金)は、平成21年度介護報酬改定(+3%)によって介護職員の処遇改善を図りましたが、他の業種との賃金格差をさらに縮め、介護が確固とした雇用の場としてさらに成長していけるよう、介護職員の処遇改善に取り組む事業者へ資金の交付を行うことにより、介護職員の処遇改善を更に進めていこうとするものです。交付金は介護保険対象サービスに限定しています。よって医療保険の対象になる医療療養病床に関しては、交付金の対象外ということになります。
 
介護療養病床で
わずかでも働けば対象
 例えば、医療療養病床で働く介護職員は同一施設の介護療養病床で勤務することがまったくないでしょうか。介護職員処遇改善交付金事業者説明会で提出された資料のQ&A[問13]で示されているように、『資格や専任・兼任の別、勤務日数等にかかわらず、交付金の対象期間中に、介護療養病床の介護職員として勤務すれば、交付金の対象とすることができる』というように行政の見解が示されています。つまりわずかでも介護療養病床で勤務していれば交付金の対象となるということです。さらにQ&A[問5]では、『賃金改善見込額等は処遇改善計画書の作成単位全体の平均で見ることとしており、全職員同額の賃金引き上げは行う必要はない』という見解も示されています。
 この回答から、もし主に医療療養病床で働いている介護従事者でも、主に介護療養病床で働いている介護従事者と同様に賃金を上げることが可能になります。
 しかし交付額は【交付額】=【介護報酬総額】× 【各サービス区分ごとに定める交付率】[介護療養施設サービス 1.1%]のように決められますから、介護従事者の頭数が増えれば、当然1人当たりの交付金受給金額(例えば給料に反映させるとして)は低くなります。詳細はメディウェル通信クラヴィス308号で解説しています。
【コンサルティング事業部 関原】



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