2009年10月16日

■事業報告書未提出の問題

 ある病院理事長から次のような質問を受けました。「決算期に病院の事業報告書を所管県庁に提出した。この報告書はすべての医療法人が提出しなければならないと思っていた。しかし先日ある医療法人が、多忙につき事業報告書を提出していないと聞いた。事情があれば提出しなくとも良いのだろうか。罰則もないのだろうか」というものです。

事業報告書の未提出は
二十万円以下の過料
 結論から言うと、どのような事情があっても提出しなければなりませんし、もし事業報告書を提出しなければ20万円以下の過料の罰則となるのです。この点に関しては医療法第五十二条、第七十六条にもきちんと明記されていますので確認してみます。

 第五十二条  医療法人は、厚生労働省令で定めるところにより、毎会計年度終了後三月以内に、次に掲げる書類を都道府県知事に届け出なければならない。
一 事業報告書等
二 監事の監査報告書
三 第五十一条第三項の社会医療法人にあつては、公認会計士等の監査報告書
2 都道府県知事は、定款若しくは寄附行為又は前項の届出に係る書類について請求があつた場合には、厚生労働省令で定めるところにより、これを閲覧に供しなければならない。

提出率は昨年より上昇
未提出は行政との関係に禍根
 もともとこの条文は以前からありました。しかし平成19年4月施行の医療法改正では、この提出された事業報告書に関しては一般に求めがあった場合には、閲覧に供しなければならなくなりました(赤字部分)。そこで俄然注目され、事業報告の義務が強調されることになったのです。次に罰則についてみてみます。

第七十六条  次の各号のいずれかに該当する場合においては、医療法人の理事、監事又は清算人は、これを二十万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
一 この法律に基づく政令の規定による登記をすることを怠つたとき。
二 第四十六条第二項の規定による財産目録の備付けを怠り、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をしたとき。
三 第五十条第三項又は第五十二条第一項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
四 第五十一条の二の規定による書類の備付けを怠り、その書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当の理由がないのに同条の規定による閲覧を拒んだとき。

 第七十六条ですが、もし事業報告書の提出を怠れば、20万円以下の過料に処せられることになります。
 なお当該所管県庁に事業報告書の提出状況について確認しました。現在のところ85〜90%前後(昨年度は75%前後)の医療法人が事業報告書の提出を終えたということです。認知が進みほとんどの医療機関が事業報告書の提出を行っているようです。
 さらに当該県庁関係者は、事業報告書を提出していない医療法人に関しても随時通知等で提出を促していくとしています。現状では罰則規定を用いることはしない方針のようですが、悪質な案件に関しては通知ばかりでない方策を検討しているとのことです。
 
【コンサルティング事業部 関原】



mediwel at 15:49コメント(0) この記事をクリップ!
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