実生活を前提としたリハビリの提供
函館・西堀病院
 人口27万人強、65歳以上の老年人口8万人(29.1%)のリハ激戦区―北海道函館市で通所リハビリを積極的に行って、実績を積み上げている病院を紹介します。キッチン
 2009年から通所リハビリテーションをスタートした医療法人社団仁生会西堀病院(小芝章剛理事長兼院長、168床)では、通所リハビリの実績を着実に挙げています。単に一遍通りのリハビリを行うのではなく、利用者の生活を考えたリハビリを提供して利用者のニーズに合ったサービスを提供しています。2012年12月時点では通所リハビリで181人の契約数、900人超の延べ利用者数がありました。これは、周辺地域のリハビリの需要を考えると、地域の利用者・家族から選ばれるリハビリの提供を続けてきている結果であり、理想的な医療の在り方だと思います。

 同院の通所リハビリの特長が凝縮している場所と言えるのが、2009年10月に増築したリハビ屋上リテーション棟。2階建ての建物の中には生活を想定したリハビリプログラムが盛り込まれています。自分の自宅と同じ高さに調整可能なキッチンを使って調理を行ったり、屋上では冬場は雪かきをする方、夏場は菜園や横断歩道を設けて実際の信号の時間内に渡る訓練など、実生活に密着したリハビリの提供を行い、実生活でも困ることがないように在宅への復帰を目指したプログラムとなっています。
 退院に際しても1カ月前からリハスタッフが自宅を訪問し、導線を決め、中での手すり設置の提案等を行い、在宅生活をサポートしています。佐藤重生事務部長にお話を聞いたところ、「回復期リハの在宅復帰率は約74%」と在宅生活への支援やリハビリの質が高いことも数字上で表れています。

 リハビリに通所する利用者は旧函館市内を対象として、病院から10分前後で行き来できる人が大半となります。通所リハビリを提供する前は通所介護を提供しており、まだ若くて元気な利用者からはもっと短時間でできるものがほしいという声が上がっていた背景から通所リハビリがスタートしました。リハビリ施設の中には、利用者の声を聞き、そこからの要望を拾い上げて需要を見つけることを早期から行うことが、リハビリの激戦区で利用者を獲得できている主要因の1つであろうと考えます。

【コンサルティング事業部 隅廣】