※先日配信しましたメディウェル・ログに寄せられたコメントを、ご本人の了解の下転載させていただきます。
 なお、転載にあたり編集部の責任でタイトルをつけさせていただきました。また、寄稿者名および所属施設名につきましては割愛しておりますことをご了解願います。

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 いつもメディウェル・ログを興味深く拝読させていただいております。
 8月8日に配信いただいた「手持ちに合わせた診療時代」について、日頃の業務を通じてまったく同意見でありメールをお送りいたしました。

 現職場には平成19年4月から医療ソーシャルワーカーとして勤務し、平成25年4月から医事課に異動となりました。
 医療ソーシャルワーカーとして勤務していた頃から医療費の支払いについて相談を受けることは多々ありましたが、医事課に異動となり、支払いの実態を目の当たりにしますと、本当に分納希望者数が多いこと、また未収金の多さに圧倒されております。
 分納希望者については、入院だけにとどまらず、外来化学療法等の医療費が高額になる方をはじめ多岐に亘ります。中には外来受診後、服薬代の概算を教えて欲しいとの相談を受け、外来分の医療費は支払いできても、薬代が支払えないので、薬をもらわず帰宅したいと申し出る方もいらっしゃいます。幸い当院門前薬局は非常に親身に薬代の支払いに対応していただけるため、薬代の分納についても相談に乗っていただけています。
 世間ではアベノミクスの効果が出始めているとのニュースを耳にしますが、その効果が本当に広く波及しているのか甚だ疑問です。
 現在医事課では未収金対策担当を担っており、限度額適用認定証等の社会保障制度の説明の徹底による未収金発生の防止、分納誓約後の未納者宅への通知送付、自宅訪問等を行っている状況です。
 過去に一部支払いがあり、数年支払いが無かった方への自宅訪問を経て、6名支払いを再開できた方がいます。5名の方は支払い能力があるにも関わらず、支払いを途中中断されている状況でした。5名の方全員にお会いし、お話をお伺いしましたが、いわゆる悪徳な支払保留者というよりは、公的病院への支払いは日々の生活費の支出を優先に考えるくらいの様に受け取られている方が多く、催告書や電話に出なくても問題ないというような認識でいらっしゃいました。
 当方としても最終的には法的訴訟も考慮しなければなりませんが、費用も時間もかかる訴訟に持ち込みたくないというのが本音です。そのためには、患者さん、ご家族との信頼関係を基に分納の相談に応対しているのですが、患者さん、ご家族の医療費の支払いに対するモラルも非常に問題です。その中にも1名の方は本当に生活に困窮していることが分かり、生活保護受給につなげました。
 医療ソーシャルワーカーとして勤務した経験を基に、患者さんの生活実態に即した社会保障制度につなげる、一病院職員として、病院の経営を揺るがすような未納者を出さない予防と、早期の介入の必要性を日々感じています。