1月16日、冷え込みの厳しい中、札幌市内の在宅ケアの関係者762人が一堂に会し、「在宅ケア連絡会の連絡会」が開かれました。札幌市内の全区、そして近隣の江別市、北広島市で活動している在宅ケア連絡会の仲間が年に一度一堂に会して行う「新年交流会」です。今回の参加者は実に767人にのぼるというと皆さんはどう感じるでしょうか?
 事前に3,000円超の参加費を振り込んでの参加です。実は、実際に参加希望者は1,000人を超えていました。会場のスペースの関係でそれ以上は無理だったため一部の方にはお断りをせざるを得なかった――それだけの求心力のある、一人一人の在宅ケア関係者が職種や施設形態や事業サービス、あるいは年齢の違いを超えて大切にしているのが定例の連絡会の集まりとは別のこの「連絡会の連絡会」なのです。

 久しぶりの再会に旧交を温めながらこの1年の取り組みの成果や課題などの話が随所で行われています。今回で20回目を迎えた「連絡会の連絡会」。早くから関わりを持ってきた一人、山岸雅彦札幌江仁会病院院長が「面白い」見方を披露してくれました。
 「最初の頃は参加者の大半が女性。最近、男性の比率が高くなってきた。若い職員の参加も目立って増えてきている。継続して参加する傾向が広がってもいるのではないか」というのです。言われてみると確かにその通りですし、待遇面から数年での離職を余儀なくされることが全国的に危惧されている中で、毎年見かける人間、特に若手の数が増えていることは間違いない事実です。
 この日、私が主として意見交換させていただいたのは、札幌西円山病院リハビリテーション部デイケア室の熊谷明生管理者代行をはじめとするデイケアを担当している若いリハビリ・スタッフたちです。室内での機能訓練という狭い考え方から脱却したデイケア、地域リハビリを志向する彼ら・彼女たちとの意見交換は、川越市にある霞が関南病院が実践している重度介護者の受け入れや地域に出前していくような取り組みがこれからのデイケアに求められているのではないか、そうした活動をどんどんしたいというものへと進みました。
 ここには介護予防のあり方として機能回復訓練などにとどまらず、生活環境の調整や地域の中での生きがい・役割を持って生活できるような環境へのアプローチという本来のリハビリ観が息づいています。それが私の主たるフィールドである札幌の地で、そして道内一円で広がっている事実に心から感銘を覚えるものです。
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 病院オープン以来、四半世紀を超えたお付き合い、というよりいつも在宅医療を考える導き手として指導いただいている藤原秀俊札幌秀友会病院理事長とは、先駆者としての急性期リハビリの実施とその受け止め方を教えられたことについてあらためて話に花が咲きました。そして西区で医院を開設・運営されながら訪問診療に早くから取り組まれている坂本仁先生との話へと広がっていきます。藤原先生と坂本先生、このお二人は在宅ケア連絡会そのものの生みの親と言える存在です。
 そして在宅ケア連絡会の発足に先立つ数年前、必要に迫られ在宅患者を複数の診療科の医師が同時訪問診療することの必要性と、それが不当評価されていることの憤りを聞かせていただき勉強させていただいた記憶もよみがえります。「こうした取り組みを北海道内各地にいろいろな形で広げたいですね」という私の話にうれしそうに耳を傾けていただいた長瀬清北海道医師会会長(松家治道札幌市医師会会長は広い会場の各テーブルをまわられていました)などの姿を会場に見つけることができます。こうした周囲の理解と支えがあって成長の芽がほころんでいっているのだと思います。北海道医師会副会長の一人が藤原先生です。脳神経外科専門病院を開設し、急性期から在宅まで地域を支えていく活動をされてきた先生が医師会の要職に今いることと連絡会の連絡会のすそ野の広がりは好一対なのだと思います。

 全国各地の在宅ケア関係者はもとより、医療介護福祉の世界で活躍されている一人でも多くの方に知っていただきたいと思い、連絡会の連絡会を取り上げました。
 皆さんの何かの力となれば幸いです。