2月28日、北海道室蘭市などをエリアとする西胆振地域の医療機関を対象に、市立室蘭総合病院と大川原脳神経外科病院の2病院が、地域医療機関と脳卒中連携パスを運用していくことを目的にした講演会を開催しました。
 脳卒中は高齢化の進行により、治療後の再発防止や長期にわたるリハビリテーション、介護の必要性など、単に脳神経外科対応医療機関だけの取り組みにとどまらないことは周知のとおりです。また、地域の限られた医療機関が脳卒中に対応せざるを得ない現実は、救急対応負担の大きさを当該医療機関にもたらすことになっています。実際、当日座長を予定していた市立室蘭総合病院の脳神経外科部長が緊急搬送患者手術のため直前に座長が交代となったことがそれを物語っています。

 講演会は、増大する脳卒中患者への対応が急がれるとともに地域連携を進めることが患者・家族のフォローアップを含め望まれているのではないかと判断した市立室蘭総合病院の問題意識に、同じ地域で脳神経外科を担当している大川原脳神経外科病院が共鳴する形で開催が具体化されました。先進地の取り組みに学び、パス運用に向けた足がかりとしたい思いからの具体化です。
 当日は、脳卒中の先駆的地域連携パス体制づくりに取り組んでいる聖隷浜松病院からの講演2題が報告されました。情報共有や書類作成、データ管理などが連携体制づくりを進めていく上で大切なことは、地域連携ネットワークの事務局を担当する聖隷浜松病院の地域医療連絡室長の報告からつぶさに伝わってきます。脳神経外科での治療後の対応は地域の診療所等に担当していただく、そのためにも最新の治療情報を伝えてるようしているなど、地域事情を背景とした独自の取り組み報告に対して、参加者との間で活発な質疑応答が交わされました。


圏域全体から参加
関心の高さと必要性を投影
 参加医療機関は西胆振管内の療養主体病20ブログ写真院や診療所などで、地域全体を包括する関係医療機関の多くが会場を埋め尽くしたところに地域での連携パスの必要性と期待感の高まりが投影されています。
 何よりも脳卒中急性期医療を担当し、月間救急受入患者数200人を数える市立室蘭総合病院、同病院の取り組みに対する敬意を払いながら同じ脳神経外科標榜病院として地域連携の一翼を担当していくとともに救急対応機能を強化していきたいと考える大川原脳神経外科病院という管内の2病院が脳卒中地域連携パスの運用に大きく踏み込もうとしていることは注目されます。地元の室蘭市医師会長などの参加は地域連携の実現を予感させるものでもありました。

 人によっては「いまさらパスの準備か」という意見があるかもしれません。しかし、地域連携パスは一部の直接関係する医療機関の間だけで実現できるものではなく、また、患者の住まいがある地域での医療介護対応体制整備などを含めなければ、継続した切れ目のない医療介護提供体制を保証するものでも、患者・家族の安心を支えるものにもなりません。
 そのような地域発信の脳卒中連携パスが産声をあげようとしている事実、それを地域全体が包み込んでいる事実を大切に受け止めたい、私はそう考えています。