新たに見直された「一般病棟用の新重症度、医療看護必要度」。診療科や診療機能の対象患者の違いを無視した一律適用は妥当なのだろうか?――こうした声が全国各地から聞こえてきます。
 例えば回復期リハビリテーション病棟。
 「A項目 7専門的な治療・処置」を見てみると、これは悪性腫瘍患者を主として診ているような医療機関でなければなかなか該当する患者を見つけること自体難しいと言わざるを得ません。
 いまさらですが、少し列記してみます。
 ここでは抗悪性腫瘍剤の注射剤や内服、免疫抑制剤の使用、麻薬の内服・貼付、放射線治療などが項目として入っています。急性期リハビリテーションやがんリハビリテーションであればいざ知らず、回復期リハ病棟に対する指標として妥当なのかどうか疑問とせざるを得ません。そう感じるのは私だけなのでしょうか?運動器中心の回復期リハビリテーション病棟であればなおさら新重症度基準をクリアするのは至難の業となっているのではないでしょうか。
 回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定している場合、新基準で重症患者比率1割をクリアできなければ本年10月1日付で回復期リハビリテーション病棟入院料2にランクダウンすることを余儀なくされることになります。

影響度を理解いただくために入院料を記載しておきます。
■回復期リハビリテーション病棟入院料1 2,025点
■回復期リハビリテーション病棟入院料2 1,811点(1日につき)

 仮に入院患者50人、1カ月30日でランクダウンした場合の減収額は321万円となります。1年間に置き換えると38,520,000円。3,852万円もの減収を強いられることになります。
 さらに今回改定で創設された体制強化加算を算定できる体制であるとすると、期待された増収額を含む違いは年間で7,452万円に達すると言ったら驚かれるでしょうか。
 重症患者を敬遠し軽症患者だけを集めて在宅復帰率を高くしようなどとは全く考えていない病院です。診療科、診療機能の違いを無視した基準の設定にこそ問題があるのではないでしょうか。
 先日、全国的評価の高い整形外科専門病院の方と意見交換する機会がありました。ここで話題の一つとなったのは、「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」、特にA項目の設定です。笑い話にもならないと言って切り出されたのが次の内容です。
 「整形外科単科専門病院の場合、該当するA項目というとほとんどが創傷処置ではないか。以前と違い今は創傷処置というと創傷処置ガーゼを貼付するだけ。頻繁に張り替えることはありえない。重症度患者比率を確保するために前時代の医療処置をさせるような笑えない話はできない。まして新たな医療知識の下で育ってきている若手医師にそんな話は通用しないし、できない」――それが臨床現場からの意見でした。

 新基準に対して皆さんは何の疑問も感じていないのでしょうか。
 忌憚のないご意見をうかがえれば幸いです。

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