平成26年度の一般病院損益差額は軒並み赤字に転落。次回改定を控え関係者の間に衝撃が走った――。
 先日の中医協総会に提出された「第20回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」で明らかにされたものです。
 一般病院全体をみると平成26年(度)の損益差額はマイナス1億1778万4千円で3.1%の赤字決算となっています。同25年(度)はマイナス6191万2000円、1.7%とマイナスでしたから1年間で赤字額は5579万2千円増え、率でいうと1.4ポイント下がったことを意味しています。
中でも公立病院は同26年(度)の損益差額はマイナス5億8141万4千円、11.3%と二桁となる大幅赤字となっています。同25年(度)自体、損益差額はマイナス4億2341万円の赤字。わずか1年間で赤字額は1億5800万4千円膨らんだことになります。
 一方、国立は同25年(度)の1億9573万6千円、3.3%の黒字から一転、同26年(度)には1948万3千円、0.3%の赤字に転落しています。
 また、国公立を除く全体をみても国立同様同25年(度)の1406万2千円、0.4%の黒字であったのが同26年(度)には一転、8536万千円、0.3%の赤字に転落しています。公私を問わぬ厳しい経営状況が生まれていることを示唆する数字です。
 もちろん、黒字病院と赤字病院の2分化が進んでいると思われるため、平均値で表現することはできませんが、こうした全体状況の中でうわさされているように、さらなるマイナス改定が行われるとしたら空恐ろしいものを感じるのは私だけでしょうか。

医業収益は増加 それ以上に人件費に
代表される費用増が影響
 注目したいのは、医業収益は国立、公立、医療法人ともに増加していることです。
問題はそれ以上に費用が膨らんでいることです。報告書を見ると費用増加の要因は人件費の上昇にあることは間違いありません。患者の重症化、離職防止対策などが給与費の上昇に作用しているためであることは疑う余地がありませんが、それにしても赤字額が大きすぎないかという印象は拭えません。病床稼働率に対応した病棟数の見直しなどの努力が医療機関の側にも必要とされているのではないか、そんな印象を持ちます。
 医療法人を見ると実は唯一黒字経営を実現しています。簡単に数字を紹介すると、同26年(度)の損益差額は3798万7千円、2.0%の黒字です。とはいえ前年度と比較すると損益差額で211万2千円の減額、損益差額率も0.1ポイント下がっています。わずか0.1ポイントの低下に押しとどめる努力がされたという受け止め方が必要なように感じます。

 次回改定のマイナス改定は見送っていただき、できればプラス改定としていただきたい。 そのためにも医療機関側の努力も必要とされている、そのことを提起したいと思います。
(※医療経済実態調査の詳細記事はクラヴィス11月25日号をご覧下さい)