回復期リハ1、有診等に算定対象拡大

要件、評価の見直し提起

  「医師等の働き方改革」の取り扱いが注目される中でタスクシフティングからの業務負担軽減対策が具体的に改定項目の形で示されました。

 ここでは2018年度診療報酬改定で大幅な点数引き上げがされた「医師事務作業補助体制加算」の「評価の充実」を例に意義を確認したいと思います。

 

評価の充実を厚労省等が積極的に打ち出してきた

前提にあるのは臨床現場での実践と研鑽の蓄積評価

  医師事務作業補助体制加算に注目している第一の理由は、2018年改定での点数大幅引き上げを踏襲し評価の充実を厚生労働省等が積極的に打ち出してきたと推察されることです。

 私個人の反省でもありますが「医師事務作業補助体制加算」の点数は2018年改定が上限であり、これ以上の点数引き上げは当面難しいと判断していました。今後の課題は病状説明などを担当できる医師事務職員の研修時間を要件とした別建て加算の新設と緊急入院件数の要件緩和と考えていたものです。もちろん算定対象病棟類型の拡大は期待していました。

 おそらく多くの病院団体も似た判断をされ、次回改定では臨床放射線技師などのICU配置の加算評価実現に軸足をおいてきていました。

 医師事務作業補助体制加算評価が継続して充実されることを歓迎したいと思います。

 同時に医療機関には医師事務作業補助業務の「有効性」や「質の高さ」など医療における社会的評価への理解を望みます。

 時に加算点数と人件費だけの観点から「不採算性」を提起する傾向が一部にありますが、これは誤りです。

 退院証明文書等の代行評価などを組み合わせるとそのことはハッキリしています。

 (※今回配信での詳細な説明は割愛させていただきます)

 

回復期リハ病棟入院料1、地域包括ケア病棟入院料/入院医療管理料、

精神科急性期治療病棟での算定可能とする方向が明示された

 

 「医師事務作業補助体制加算」評価について第二に注目いただきたいのは算定可能とする病棟類型が格段に拡大される方向性が明示された事実です。

 具体的に見てみましょう。

 「医師事務作業補助体制加算」が可能となる病棟類型として個別改定項目の中で新たに「結核病棟入院基本料」とともに「特殊疾患病棟入院料」「児童・思春期精神科入院医療管理料」「精神療養病棟入院料」「認知症治療病棟入院料」「地域移行機能強化病棟入院料」「回復期リハ病棟入院料1」「精神科急性期治療病棟入院料2」が明示されています。

 そればかりではありません。

 「有床診療所入院基本料」「有床診療所療養病床入院基本料」についても同様の対応がされる見込みとなっています。

 

急性期対応医療機関の継続した病期対応と働き方改革を結びつけている点に注目を

 

 第三の注目点は単純に算定可能な病棟類型の「拡大」ではない点です。急性期治療病棟を有するケアミックス医療機関と連携医療機関のあり方を通じた病期の継続性、それが回復期リハや精神療養病棟などへの「拡大」、そこに「働き方改革」が組み合わさっている点を政策的メッセージとして受け止める必要があると思います。

 

 その意味では施設基準に「年間の緊急入院患者数が200名以上又は全身麻酔による手術件数が年間800件以上の実績」規定が残されていることを私は強く疑問としています。

 この点は急性期担当医療機関の特定化/集約化と経営支援という判断が作用したものでしょう。 

 先の記述と関連しますが、現在算定不可である関西地方のある整形外科の有床診療所は医師事務職員が10名前後おり、医師の業務の多くは「手術」と「診療」に絞られています。それがむしろ採算性の保証となっていることに注目したいと思います。

 なお、精神科について触れますと、次回改定はこうした形で急性期性の評価と入院期間の短期化を支援するという政策メッセージとして理解いただければ幸いです。

 

事態の推移ふまえ220日に医師事務作業補助者研修開催へ

 

 こうした事態の推移と変化の方向性の判断に基づき弊社は2月20日に「医師事務作業補助者研修」を開催いたします。

 開催要項等は末尾に掲載いたします。

 皆様の受講をお待ちしています。


 
※「中央社会保険医療協議会 総会(第449回)」個別改定項目について(その2)総−3.P38〜40
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2020年2月4日 株式会社メディウェル 顧問 古川俊弘