平成18年診療報酬改定のポイントの一つは、人工透析。
 今回の改正にあたって夜間・休日加算点数の引き下げが提案されています。
 さらに人工透析治療の外来1日点数にエリスロポエチンを包括した上で、「点数を引き下げたい」(8日中医協での麦谷厚生労働省保険局医療課長)考え。エリスロポエチン適正使用を促すための対応と説明されていますが、諸外国と比較しても1回あたり使用量は少なく設定されているなど医療界から反発の声もあがっています。
 当初は廃止も盛り込まれていた休日加算、夜間加算の引き下げが与える影響も少なくありません。
 さらに透析治療の要といえる医療保険材料ダイアライザーも引き下げられる予定ですから、透析医療機関は四重の引き下げに直面することになります。

 人工透析に関係する診療報酬点数は、この間の改定で一貫して引き下げられています。
 かつては黒字経営の代名詞のように言われた人工透析ですが、既に実態は異なっています。都心部の透析クリニックは、経営維持の限界に直面し「既に撤退を余儀なくされている」(中医協での石井委員の発言)ことが指摘されています。
 大規模透析クリニックへの集中化が一段と進むことは避けられません。
 この場合、どうしても交通の便など治療の受けやすさに制限が生じてきます。
 透析治療患者の就業保障・支援に直接影響します。
 8日の中医協で支払い側委員が相次いで危惧を表明、見直しを求めたのはこのためです。
 患者団体も危惧しています。
 13日、そんな懸念を抱いて東京都腎臓病患者連絡協議会と透析医が厚生労働省内で記者会見を行いました。
 テーマは、「今回の診療報酬改定 特にエリスロポエチンの包括化に関して」。
十分、理解できる行動です。