一般病床の入院患者数が遂に70万人台を切ろうとしています。
厚生労働省のまとめによると今年4月の1日平均入院患者数は、一般病床で705,952床です。
前月比較で3月、4月と2万人近い減少が続いた結果です。
このペースでいくと5月には70万人を割り込むことが確実となっています。
このため病床稼働率は、前月の76.6%から74.4%に低下。
とうとう4分の1以上が空床となっています。
病床稼働率は、今年2月が80.3%でした。
つまり2割が空きベッドでした。
2ヶ月間で4分の1以上が空きベッドというように一段とベッドの空きが目立ってきたことになります。
マイナス改定に加え病床稼働率低下による減収が医療機関に加わっています。
そのためか都内でもいくつかの病院が先行きの見通しがたたないためか5病院程度廃院したというように、患者数に恵まれており経営の心配がないと評されている大都市部でもヒタヒタと「医療冬の時代」が足早に訪れようとしています。
冬季賞与支給後看護師の
大移動がやってくる?
7対1入院基本料を算定できた医療機関以外の一般病院は軒並みマイナス改定の冷水を浴びています。
そこに空きベッドという爆弾が襲いかかってきている。
それだけではありません。
看護師大移動の洗礼を受けることになるのではないかという警戒感が病院、特に民間病院経営者の間に広がっています。
とりわけ不気味な噂として囁かれているのが、12月冬季賞与支給後の看護師大移動です。
民間から官公立大学病院に移動?
いつの時代も、この時期の退職はあります。
今回は違うものになるというわけです。
今までは民間病院から別の民間病院という流れだったのが、民間病院から国立大学病院など官公立・公的病院に集中するのではないかというわけです。
先日インタビューした谷野亮爾日本精神科病院協会副会長(谷野呉山病院理事長・富山市)は、これから本格的に官公立大学病院が手上げをしてくる、つまり新卒と中途採用の二つのコースから看護師を集めていくのではないかと緊張を強めています。
月平均夜勤時間72時間問題への対応などで疲弊した病院に、こうした追い討ちがかかろうとしています。
その結果、何が待ち構えているのか。
答えは、明らかです。
病院倒産。
立ち往生型に大きな特徴があります。
以前、この欄で1床当たり1,000万円を超える債務を抱えている場合、病床権の買い取り手がつくのは難しいと記載しました。読者からご指摘を受けましたが、新基準の療養環境に併せて建築したての場合などは、こうした金額になっていても問題ないケースがありえます。
そのことを付記いたします。
※特に断りがない限り数字は厚生労働省が11月16日公表した病院報告(平成18年4月分概要)からとっています。
コメント