都市部における特定施設の『介護付有料老人ホーム』の場合、参酌標準※を根拠にほとんど新規開設が認められていないのが現状です。札幌市でも新たな施設設立は認められていません。また有料老人ホームの設置者は株式会社、有限会社、社会福祉法人、宗教法人、NPO法人などの民間事業者が、あらかじめ法令に定める事項を知事に届け出ることにより設置することができることも施設過多を誘発しているようです。

そのような中で特色ある有料老人ホームが326日開設しました。株式会社私の青い空の『介護付有料老人ホームアウルコート真駒内』です。個人部屋はもちろん、共有スペースを重視した施設の造りこみをした動きが広がっていますが、その傾向がこの施設では顕著になっています。

 

アウル

  『介護付有料老人ホームアウルコート真駒内』は、医療機関の事務次長として活躍した武田治信社長と、医療ソーシャルワーカーとして研鑚を積んだ武田ひろみ専務が中心となって開設しました。ご夫婦である2人は、医療機関での介護・ケアでは、どうしても指示的、指導的になってしまうことに疑問を持ち、また医療施設では治療が主目的ですから、どうしても入院環境は味気ない、おもしろみのないものとなりがちとなる印象を持ったそうです。

そこで“ホスピス”、つまりおもてなしを大切にし、環境がケアする空間作りをモティーフにした施設を作りました。中庭には桜や楓を植樹し、季節感を常に感じられるようにしてある。また24時間計画換気システムや暖房も空気を汚さない「PSヒーター」を採用。冬は温水を循環させて得られる輻射熱によって最適な室温を維持できるようにしてある。楽しみのお風呂も特殊浴槽はもちろん、岩盤浴や御影石を用いた浴槽など温泉気分を味わえるなど細部にまで工夫を凝らしてあります。さらにアウルコートのラウンジでは鋳物の薪ストーブがあり、入居者のコミュニケーションをより深いものとする雰囲気作りも意識しています。

このような空間作りのコンセプトはズバリ“旅するように暮らしたい”です。そこは“施設くささ”というのは微塵も感じられません。

 

アウル

食事についてもこの理想は生きています。食堂はレストランと呼ばれ、入居者の“わがまま”を最大限尊重するものになっています。例えば昼食は麺類以外食べないといったら、それに対応する、またご飯も、白米、玄米、五穀米等を用意する予定だといいます。

介護に関しても基準以上のスタッフを配しました。介護に関わる職員体制3:1以上(ケアスタッフ7名、看護師2名、MSW1名、役員2)となっています。

 さらに特徴的なのは、入居者を、自立者を中心に要支援・要介護1・2を対象としていることです。市の行政担当者は自立者を対象としたホームが皆無に等しかったので、この試みを様々な助言もふくめてバックアップしてくれたそうです。それはアウルコートが介護保険にはあまり依拠しない施設運営を目指しているからです。そのかわり管理費は少々高めです。しかし上記のサービス対して、入居予定者は十分評価しているといいます。

 このように従来にはないコンセプトで開設され、またニーズを既存施設とは異なるところに求めた。今後の有料老人ホームのあり方のヒントになるかもしれません。

 

 ちなみに入居一時金は1750万円、21,400万円、月額利用料合計は189,000(内訳:管理費128,100円・食費 53,550円・暖房費 7,350)、部屋面積は1人部屋が22.3523.0524.372人部屋が45.9846.30屐∩33室です。

 

『介護付有料老人ホームアウルコート真駒内』

URLhttp://www.owlcourt.jp/

 

※参酌標準の定める必要利用定員数とは、特養・老健・特定施設等の施設定員を全要介護25認定者の37%で、これ以上の人数を収容する施設は必要ない、認可しないというもの。